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道南の宝石

占部です。
先週は道南遠征に行ってきました。目標はオシマルリオサと島牧低地オシマ。
去年はオシマは5人で一匹。島牧低地オシマはかける場所がG-M線を間違え、採れたのはトヨハマオオルリ(最近の図鑑では消えてしまいましたが・・・)
ということで、なんとしても尻尾だけでもいいから掴みたい!という訳でこの遠征になりました

出発は土曜日の昼、まずはオシマルリ狙いで仕掛けたコップを回収しようという訳でした。
この某山に仕掛けたのは自分が仕掛けたのは2週間前、その時点の1週間前に寺田はすでに山頂付近にコップをかけていました。
しかし、2週間前にこの山に登った時は天候が悪く稜線に出た時点で暴風が吹き荒れ、とても山頂のコップが回収できる雰囲気ではありませんでした。そこで森林限界付近とそれより麓の方にかけたのですが、後で調べてみるとこの山のオシマは山頂付近の笹原に生息してるとのこと・・・。
よさげな山頂のコップは3週間の設置でゴミが大量に入っていると予想。なので正直期待はしてませんでした。

結構きつめの登山道を登り、森の中に仕掛けたコップに到着。さらに気落ちさせることに草刈が行われ、コップの中にゴミが入っているのが多かったです。
更に絶望しながらコップを回収していくことに。。。
う~ん、けっこうヒメクロたらカリバクロナガやらは入ってるんだけど・・・とおもいつつ、5個目ぐらいのコップに何か違和感が

あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!これオシマやん!!!!!
思ってたより小さくて地味やけど!!!それでも間違いなくオシマや!!!

こんな森林的環境でも落ちるんや・・・。としばらく放心状態でした。そして久しぶりに震えが抑えられないぐらいの嬉しさがこみ上げてきました。
こらやったら他のコップとか稜線のコップにおちてるんじゃ?とノリノリで回収しましたが他には落ちていなかったです・・・。
やはりオシマは厳しい!!
しかし意外な外道が。このコップを除いたときには( ゚д゚)ポカーンという感じでしたw


お姫様。なぜこんなところでオサムシと戯れていらっしゃるのですか・・・?
人生初採集。嬉しかったです。
この後、寺田に電話すると山頂付近のコップはゴミでほぼ全滅。唯一生き残ったコップで1匹落ちたのこと。
更に稜線付近でも一匹追加し、合計2匹。どちらも綺麗な藍色のオスでした。うらやま!

ありがとう!また来年も来たいと思う山でした。

この後は温泉に入ったりして島牧に移動し、野宿しました。
祝杯のティラミスを食べようとするもスプーンが入ってなく、コップを引き裂いてスプーンを作る寺田の図。

コップを引き裂くには意外に力がいる、といういらん知識が付きました。クマさんってすごいね!

翌朝は6時過ぎから大平山に登りました。2年ぶりに登りましたが、その時よりも登山道が荒れて登りにくくなった気がしました。でも登山タイムははるかに縮まってましたw
ほんとにもう登りたくないです。まぁあと一回は登らないといけないんですが・・・
ここに来たからにはあの虫を採らなければ・・・!


そうトホシハナカミキリの黒色型です。
しかし、フウロソウは散りかけの花が多くトホシハナの個体数は少なかったです。
結局完全な黒色型は1匹だけでした。

大平山を下山後、本命の島牧低地型の回収に向かうことに。
まずは一か所目。しかし草刈のせいで環境が変わりまずコップが見つからない・・・
なんとか斜面にかけたコップは残っていたのでそれを見ていくと・・・

あなたは!まぎれもなきオシマ低地型!!
コップに落ちてた時は泥に汚れて、・・・オシマさんだよね?って感じでしたw
しかし、磨くと非常にきれいな光沢が出てくれました!!
落ちたのはこいつ以外の他のオサムシが一匹も落ちないようなところだったのが意外でした。

2か所目。ここは海岸近くのオオイタドリ群落に投げやりに仕掛けたところ。
1か所目で落ちるんやったらここでも落ちるんじゃないか?と思っていると、寺田から「落ちた!!」との声!
綺麗な橙型のオスでした。しかし島牧低地のオスは丸くて大きくてメスみたいです!
僕も汚くて小さかったですがメスを1匹追加できました。

今回は数は少ないながらも目標種は全て採れ、非常に満足のいく回収になりました。
オシマは生きたメスが採れたのでブリードに挑戦する予定です(笑)
あとは低地で全身緑のオシマが落ちてくれれば文句はないのですが・・・。今週の回収に期待です。
アラメの採集記は只今執筆中です。標本写真が全然撮れてないです・・・。

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オオルリ回収

占部です
長らくブログを放置していて申し訳ございません
去年もむしけんでは採集にはかなり行ってはいたのですが・・・
今年は記事を書いていけたらいいなぁと思います

という訳で、先週回収に行った苫小牧のオオルリオサムシの話でも
ここには5月1日にも回収に行ったのですが、その時はまだ時期が早く落ちたのは数匹という貧果・・・
なので時期を延長してもう一回行ってみました
今回はカメラを忘れていったため、スマホで撮影した画像となります

早朝の電車で行くつもりが、自転車の鍵が見つからずに乗り過ごしてしまい、着いたのはだいぶ遅い時間でした・・・
現地に着き、最初のコップを見てみると・・・
o-ruri1.jpg
おぉ!3匹も入ってる!
この後も順調にコップにオオルリは落ちており、満足すぎる数を得ることができました

ここのオオルリオサは勇払移行型といい、基本色が黒色~銅色と、ヒジョーーーに地味(むしろ汚い)なのですが個体数はハンパなく多かったです
でも時には
ao-ooruria.jpg
こんな感じの青い個体も出現して楽しめました
他にも、この場所では採ったことのないセスジアカガネが落ちていたり、チビコブスジコガネが3粒落ちてたりしました

次の場所は湿地環境でセスジアカガネ狙いのコップです
sesuzi-kankyo1.jpg
ここも1日の回収では数匹しか入っておらず、その時にコップを増設して挑みました
しかしここで悲劇が!湿地の際にかけたコップが、GWの雨による増水を受けてすべて流されていました・・・
これにより戦力の半分以上失い、湿地に転がったコップを回収するときは完全に意気消沈してました

散乱していたコップを回収し、前の時に何も落ちなかった盛り上がった場所にかけたコップをのぞき込むと、そこには赤く光る影たちが!
sesuzi.jpeg
ダブル!ここでは他のコップも順調に入っていて、結果的には満足のいく数が入ってました
セスジアカガネが、増水によってびちゃびちゃになった低い場所から高い位置に活動場所を移したのかな、と思います

今年最初のオオルリ採集は中々の結果を残せたので、今年は順調に発生が進んでいるはず!
今年こそはアラメやオシマを落としてみたいです!

南米採集記 続編

前回はチョウしか載せなかったのでその他の昆虫も紹介したいと思います。
ボウバッタ
ボウバッタ
茂みに隠れてて、ナナフシかと思って捕まえたらバッタでした。なんじゃこりゃ。
そしてでかい!!10センチ以上あるのではないか・・・

イトトンボ
イトトンボの一種
これもでかい、というよりも長い!!
翅の先端が白いが、飛んでいるときはこの紋だけが宙を舞っているように見えた。
川べりにいました。流水性なんでしょうか。

サソリ
サソリ
朽木わったら出ました。
尾が太くて発達してます。
割り出した瞬間に臨戦態勢だったので、こちらも負けじと毒ビンをかぶせて応戦しました。
そしたら勝ちました。

ダイコク
ダイコクコガネの一種
腐ったレバーで採集。
南米には全身グリーンの美しいダイコクがいるが、今回はこのうっすらグリーンしか採れなかった。
ちなみにレバーでは他にタマオシコガネ数種、コブスジコガネ、エンマコガネ数種、マンマルコガネ、センチコガネなども採れた。

ハキリアリ
ハキリアリ
これはかなり有名ですね
夜行性らしく、夜にならないと現れないのでなかなかうまく撮影できなかった。

ライトトラップ
夜はライトトラップを行いました。ライトトラップには様々な昆虫が飛来しました。

アクタエオン
アクタエオンゾウカブト♀
でかいです。
突然バコン!!という音がして、音がした方に行ってみるとこいつが落ちてました。
ちなみに雄もきました。なぜか写真撮り忘れました。

ガ①
ガの一種
なんでしょうか。ものすごく尾状突起が長いです。

ガ②
スズメガの一種
なんでしょうか。ものすごく口が長いです。25センチくらいあります。

ビワハゴロモ
ビワハゴロモの一種
なんじゃこれww
頭の形がとんでもないことになってる
これでもセミの仲間です。

バッタ
バッタ
これはたくさん来ました。

今回の南米旅行は採るのに忙しくてあまり撮影ができませんでした。
なので虫の写真はこれくらいしかないですが、ご了承ください・・・




南米採集期

村野です。
久しぶりに採集期を書こうと思います。
研究室配属前の最後の春休み、ということでどっか遠くに行こうと考えていました。
そこで、モルフォやアグリアスが採りたい!
ということで行ってきました南米に。
今回訪れたのはフレンチギアナ。
知らない人が大半だと思いますが、場所はブラジルの上です。
当然日本からの直行便はなく、パリまで行って飛行機を乗り継ぐことになります。

P3173660.jpg

これがフレンチギアナの空港です。
このあとレンタカーを借り、予約していたロッジまで移動しました。

ロッジ

これが今回の宿泊地。ジャングルの中にあるのにもかかわらずかなり綺麗に管理されていました。

ジャングル

ロッジの周りは鬱蒼としたジャングルでおおわれていました。

林道

ロッジからはジャングルを貫く長い林道があり、ここで主に虫を採りました。

バタフライトラップ

基本的に午前中は林道で見つけ採りをし、夕方にこのように設置したバタフライトラップを回収するといった採集スタイルをとりました。南米ではこのバタフライトラップがかなりの効力を発揮し、見つけ採りでは採集できないような種類もたくさん採集することができました。
ここからは、採集した虫を紹介していきたいと思います。

Agrias narcissus
Agrias narcissus
人生初南米でまさかのアグリアスを採集することができました。バタフライトラップで採集。おそらくこのチョウは普段高いところを高速で飛んでいるらしく、トラップを使わないと採集はおろか目撃すらできないのではないかと思います。
ディダミアモルフォ
ディダミアモルフォ
これがかの有名なモルフォチョウというやつです。本種は晴れた日に低いところを林道に沿って飛ぶため比較的簡単に採集できた。ただし個体数は多くはなかった。
アキレスモルフォ
アキレスモルフォ
本種は個体数が多く採集も難しくない。
メネラウスモルフォ
メネラウスモルフォ
割といたけどなぜか俺は採れなかった。だから林道に落ちてた翅をもって帰りました。
prepona.jpg
オオルリオビタテハの一種
オオルリオビタテハとルリオビタテハは通称プレポナと呼ばれており、複数種採集できた。バタフライトラップで多数採集できたが、林道を飛んでいるところはほとんど見なかった。
Caligo.jpg
フクロウチョウの一種
これもかなり有名なチョウですね。このチョウは夜に飛ぶようで、早朝にバタフライトラップを回収すると入っていることが多かった。
Semomesia capanea
Semomesia capanea
これはシジミタテハの一種。表もこのように大変美しいが、この種は裏もすごい。
Semomesia capanea 裏
このように裏表ともに真っ青なので飛んでいるときはとても美しかった。
ハカマジャノメ
ハカマジャノメの一種
これはジャノメチョウの仲間で、後ろ羽が前羽よりも大きいという特徴を持っている。このように後ろ羽はとても美しい。個体数は少なくないのだが、茂みから出てこないので採集はなかなか難しかった。
ミズイロタテハ
ミズイロタテハの一種
これもなかなか美しいチョウです。この種は比較的個体数が多かった。ちなみに裏面は緑色をしておりウラミドリタテハともよばれるらしい。

他にもいろいろ撮影したので、随時公開していきたいと思います。

2012年度あつを杯

北海道では8月ごろから昆虫類が減り始め、10月にもなるとほとんど見かけなくなってしまう。
しかし水の中、地面の中ではこの時期も元気に(?)活動している虫たちがいる。このような環境は一年を通して温度が大きく変化しにくいので季節にかかわらず採集が行える。
そこで今回は虫研恒例行事(にしようと思っている)あつを杯を開催しました。
あつを杯は以下のルールで行われる。

・地下に生息する盲目性の昆虫をターゲットとする。
・次の昆虫を採集した選手には種類に応じて次のように得点が与えられる。
エゾガロアムシ幼虫   1点
エゾガロアムシ♀    2点
メクラチビゴミムシ   3点
メクラミズギワゴミムシ 4点
エゾガロアムシ♂    5点
その他目のある昆虫   0点
逃げられた場合     0点
・最も多くの得点を獲得した人が優勝。優勝者にはトロフィーと晩御飯が贈られる。
※同点の場合完品個体一匹につき1点を追加し、それでも同点の場合採集個体数の多い人が優勝。

10/21 9:00
今回の参加選手は7名。場所は夕張方面。
まずは大会主催者から競技説明がなされました。
開会式
次に大会名誉委員長である白石敦夫氏が開会の辞を述べられました。
開会の辞
この中で白石氏は「このように雨予報の中大会を快晴で迎えられたのは皆さんの日頃の行いが良いからでしょう。私は良くありませんが。」と述べられた。
こうしてあつを杯が開幕しました。
このような昆虫を採るには、沢沿いを歩き、地層が露出している崖を探す。さらにそのような崖を少し掘って適度な大きさの礫が堆積している層を探す。礫の大きさは大きすぎても小さすぎてもいけない。また、適度に粘土が混じりわずかに地下水が染み出しているような場所を好む。
このような場所はなかなか見つけられず、かつあったとしても生息密度は一般的にとても低いので採集するのはとても難しい。
今回も適当な沢を選び遡上しながらポイントを探す。
発掘中
そしてひたすら掘る
発掘中2
もっと掘る
しかし全く出てこない。ヒラタゴミムシ類は大量に出てくるが、どれも目があるので0点である。
三か所ほどポイントを変えてみたが、いそうな地層はあるものの全く見つからない。
こうして15時ごろまでひたすら沢を登っては掘ってを繰り返していると、素晴らしい崖を発見。
そこを一堀すると、飴色のゴミムシが一匹出てきた。
ようやくメクラチビ一匹採集・・・
メクラチビはとても小さく、かつ素早いので逃げられてしまうことも多く、チャック袋に入れるまで気が抜けない。
それにしても6時間掘り続けて一匹とは、やはり採集難易度の高い昆虫である。
こうして16時まで発掘を続け、7人の得点は3点の俺を除きみな0点。
最後におととし個人的にガロアムシを採集した実績をもつ崖に行ってみることにした。
その崖は車横付けでお手軽に掘れるのが良い。
しかしやっぱり出てこない。
その時、ちょっと車から離れていた小島が走って帰ってきた。
クマ出たクマ出た!!!
まさかの異常事態に皆で一斉に車に逃げ込む。
ここで大会名誉委員長が人命優先を宣言したため、今大会は終了となった。
ちなみに車の横にはこんなものが落ちていた。
ヒグマ
新鮮なクマ糞・・・
全く気付かなかった。
聞けば崖の上から2頭のヒグマが下りてきたそうである。
恐ろしや。
なお、この事件で大会委員長は「無意識に避難したということは、俺はまだ死にたくないということだ。生き続けたいのか。」というコメントを発表し、良い経験になったそうである。

閉会式
結局3点を獲得した俺が優勝し、トロフィーとさぬきうどんの天丼セットをいただきました。
授賞式
それにしても7人で8時間掘って一匹のみとはやはり厳しいものである。また今回とうとうヒグマに遭遇してしまったので、来年からは安全対策を興じる必要がありそうだ。

今回採集した昆虫
メクラチビの一種
メクラチビゴミムシの一種
体長が5ミリ以上あること、採集地が夕張紅葉山に近いことを考えるとズンドウメクラチビゴミムシの可能性が高いが、記載産地と違う水系で得たので詳細は不明。水のわずかに染み出す地下浅層で得た。
メクラチビアップ
頭部のアップ。このように複眼は退化し感覚毛が発達しているのがわかる。
キノカワゴミムシ
キノカワゴミムシ→マルクビゴミムシの一種
地下浅層にて採集。大量のヒラタゴミムシ類に混じって得られたが越冬していたと考えられる。しかし目があるので0点です。
ヒラタクチキウマ
ヒラタクチキウマの一種(幼虫)
地下浅層にて採集。採集地からツヤかエゾではないかと考えられるが幼虫であるため詳細は不明。この仲間は北方系のグループで、北海道では種分化が激しく進んでいる。このように普段は目につかないような場所にいるので採集例が少なくその生態はあまり知られていないようだ。しかし目があるのでこれも0点です。


カップ
来年は誰が優勝するのでしょうか。

プロフィール
むしけんでごく稀に発行されるミニコミ誌・北辛夷。 この北辛夷のようにユルいテンションで書けたらいいな~ということで、「Web Kobushi」というブログタイトルが採用されました。なお、内容はともかく更新回数のユルさまで北辛夷に似てしまっている模様。

北大昆虫研究会

Author:北大昆虫研究会
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